小売業の方へ

弊所は、沖縄県内にて、多くの小売業の顧問を務めております。

本ページでは、企業法務に強い弁護士が、小売業の法的特徴や、よくあるトラブル等について解説していきます。

また、後半では経営者の皆さまが、弁護士を活用するメリットなども紹介しておりますので、ぜひ最後までご一読ください。

 

①小売業の法的特徴について

一口に、小売業といっても、取り扱う品目は様々です。
雑貨屋さんや、本屋さん、文房具屋さんなども小売業と言えますし、衣料品や化粧品を取り扱う商店も小売業だと言えます。

今回は、沖縄県内の実情に合わせて、お菓子などの食品や、お茶、健康食品等の食品類を取り扱ういわゆる、飲食料品小売業について、詳しく解説してきます。

ご存じの方も多いかもしれませんが、沖縄県は、小売業が、リーディング産業(経済成長を引っ張っていく役割となる産業のこと)となっています。
沖縄県内では、第3次産業(小売業などのサービズ業)の割合が8割近くを占めているのです。

そのため、それにともない、小売客向けのお土産や、お菓子を取り扱う飲食料品小売業者が比較的多いといえます。

では、そのよう飲食料品小売業者の法的特徴としてはどのようなものがあるのでしょうか。
大きく、3つあると考えられるため、順に解説していきます。

(1)飲食料品小売業は、新たな形態が生まれやすい業界であること 

まずは、経済産業省のデータを見てみましょう。
同省が公表している、”アクティビティー・ベースの「飲食料品小売販売」活動指数”を見ると、飲食店小売業の近年の動向について詳細な解説が記載されています。

参考リンク https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikeizai/kako/20180703minikeizai.html

活動動向の分析手法等については、第3次産業活動指数(ITA)などを使用した分析がされていますが、かなり専門的な話となるため、本ページでは割愛させていただきます。

この資料の中でもっとも注目するべき点は、まとめとして記載されている、以下の1文です。

“平成26年以降、飲食料品販売量は業種・業態間の明暗がくっきりと現れており、
従来型の飲食料品小売業以外での飲食料品販売活動が活発化している。”

つまり、これは、今までの典型的な販売方法である、
・お菓子屋さんが店先でお菓子を売る
・お土産屋さんで、お酒やお菓子、沖縄の名産品などを取り扱って、観光客の方に買ってもらう
といった飲食料品小売業の販売形態が変わってきている、ということ意味します。

例えば、最近は、コンビニエンスストアや、食品スーパーでも沖縄のお土産品を取り扱う店舗が増えてきています。
また、同じ経済産業省の他のデータによると、ドラッグストアでの飲食料品の販売推移学は右肩上がりで増加してきているとのことです。

従来は、食品スーパーでは日用食品の取扱、ドラッグストアでは医薬品の取扱い、というように棲み分けられていたものが、そうではなくなってきている、と評価できるのです。

これは、結果的に、従来型の飲食料品小売業者を圧迫してしまうこととなってしまうのです。

更に、少し厳しい情報が続きますが、農林水産省が公表している
令和3年度 食料・農林水産業・農山漁村に関する意識・意向調査 
 食品産業の経営課題等に関する意識・意向調査結果”
でも、食品小売業がやや厳しい立場に立たされていることが分かります。

この調査は、外食産業や食品製造業や小売業を対象にしたものです。

注目するべき点は、”今後3~5年先の事業方針について”という部分です。

食品小売業は「廃業を検討」と回答した割合が最も高いのです。
約4分の1の事業者が、「廃業を検討」しているという報告結果になっているのです。

一方、「事業規模を拡大」する事業方針をとっている食品小売業は、約7.8%と低い数字にとどまっています。

これは、全国の業者に対する調査なので、小売業が大きな割合を閉めている沖縄ではまた少し変わった結果となるかもしれませんが、大きく見ると、全体的に食品小売業は厳しい立場に立たされていると評価できるでしょう。

そのため、飲食店小売業界は、従来型の販売方法だけでなく、新しく、柔軟な販売方法を探していく必要に迫られていると言えそうです。

例えば、
・ECサイトを利用した販売方法を取り入れる、
・マリンスポーツショップなど、従来飲食品を扱ってこなかったような業者と連携する、
などの形態です。

以上のように、今後、新たな形態が生まれやすい業界である点が、小売業の特徴①となります。

(2)慢性的な人手不足

今や人手不足は、小売業のみならず、どの業種も頭を悩ませている問題だと言えますが。食品小売業界においても、重大な課題となっています。

上と同じ経済産業省の、
”「食品産業の経営課題等に関する意識・意向調査結果」”の中の、
”生産性を向上するための課題”についての調査結果を見てみましょう。

食品小売業界では、
「業務を担当する人材の確保・育成」が課題であると回答した事業者が3割以上を占めています。
これは、「商品単価や客単価の向上」に次いで第2位の割合を占めているのです。

人手不足は、沖縄県内だけでなく、食品小売業界全体にとって、重大な課題であるということが分かります。

(3)事業承継が比較的活発な業界であること

事業承継という用語は、法律用語ですので、聞き馴染みのない方も多いかもしれません。

様々な承継方法がありますが、会社の合併をイメージしていただくとわかりやすいかと思います。

上で見た通り、飲食品小売業は競争が激しい業界であると言えます。
また、新型コロナの影響で、観光業をリーディング産業とする沖縄県はどの事業者も大きな影響を受けました。

既に沖縄県内の観光業は回復してきましたが、このような事態はいつまた起こるのか予想がつくものではありません。

また、コロナの影響は、消費者の食事スタイルにも影響を及ぼしました。

このような事情背景から、近年は、飲食品小売業界では事業承継が増加傾向にあるのです。会社を合併させて存続を図る事業者が多いといえるでしょう。

会社を合併させることで、商品の多様化・独自化に繋がります。
これは、他の同業他社との差別化となるのです。

会社同士が合併すると、自分の店舗では取り扱っていなかったような商品を取り扱うことになるためです。

そうすると、いままでとは違った顧客層の獲得や、新商品の開発に繋がることになるのです。

特に、ブランド力を持っている事業者と合併することができた場合、(2)で述べた「商品単価や客単価の向上」という課題を解決することにもなります。

事業承継(M&A)についての詳細な解説ページは以下になりますので、ご興味のある経営者の方はぜひご一読ください。

弁護士による事業承継・M&A

 

②飲食料品小売業者が注意を配るべき法務分野

それでは、飲食料品小売業者が注意を配るべき法務分野には、一体どのようなものがあるのでしょうか。

こちらも、主な法分野として3つほどありますので、順に見ていきたいと思います。

(1)食品衛生法関係

飲食料品小売業者が注意するべき法務分野としては、第一に、食品衛生法が挙げられます。

食品衛生法は、飲食による健康被害の発生を防止するための法律です。
食品の小売業者は、その業種形態によって許可や届け出が変わるため、聞き馴染みのある方も多いのではないでしょうか。食品を取り扱う事業者に取って基本的なルールを定めた法律だと言えます。

 

食の安全性を確保するためにも、自分の店舗を守るためにも、遵守することが必須となるこの法律ですが、近年大規模な改正が行われました。

食品を取り扱う小売業者は、適切な開業許可や届け出を行う必要があります。

例えば、今回の改正では、今までは許可業種であった一部の業種が、届出で開業できるように変更になっています。
・氷雪販売業
・包装食品のみの取扱いを行う魚介類販売業
・乳類販売業
などです。

もっとも、全体的には、食品を扱う事業者にとっては、規制が強化された形の改正となります。

代表的なものを見てみますと、
・HACCPに沿った衛生管理が求められるようになったこと
・特定食品による健康被害情報の届け出が義務化されたこと
・食中毒対策が強化されたこと
などがあげられます。

その中でも、中小規模の業者が大きな影響を受けるものとしては、”調理場(製造所、作業場)内の手洗い専用設備”に関する改正ではないでしょうか。

これは、自社店舗でお菓子を製造し、販売している小売業者さんには影響することとなる改正となります。

詳しく解説すると、手洗いを行う設備として、”水栓に手を触れることなく操作ができるもの”のみが、認められることとなったのです。

従来の蛇口をひねるタイプの水栓は、この基準を満たしていないこととなるのです。

新しく開業を行う場合はもちろん、現在開業している事業者も、営業許可の有効期限満了日までにこの設備を設置する必要があるのです。

設備基準を満たしていないと、指導対象となる重要な改正点となります。

このように、大幅な改正が行われた背景には、食の安心安全への消費者意識が高まったことも影響しています。
そのため、このような健康志向は、今後も継続して高まることが予想されます。

現在は、小規模事業者等に対しては、ハサップに沿った厳密な衛生管理は求められておらず、ハサップの考え方を取り入れた衛生管理で足りるとされています。

しかし、今後は、設備変更を余儀なくされるような、より一層厳しい規制が制定される可能性もあります。

そのため、さらなる改正を見据えて、今のうちから衛生意識、コンプライアンス意識を向上させることが飲食事業者にとって重要であるといえるでしょう。

(2)労働関連法令

小売業者が注意するべき法務分野としては、第一に、労働関連法令が挙げられます。

労働関連法令とは、労働基準法や労働安全衛生法などの、従業員に関する法令です。

例えば、労働基準法では、最低賃金や年次有給休暇などの労働者を雇うときの基本的なルールを定めている法律です。
労働基準法違反の契約は無効となることもあるのです。

また、労働安全衛生法は、労働者の健康や安全を守るための規定を定めた法律です。 

労働安全衛生法に反すると、労働基準監督署から業務停止命令を受けたり、罰則を受けたりすること(労働安全衛生法20条~25条、119条等)もあります。

他にも、労働関連法の不遵守により、労働者とのトラブルが生じてしまうと、業界内部で話題になってしまい、事業所そのもののイメージダウンにつながることになることが考えられます。

そして、小売業界では、②であげたように、様々な雇用形態で人手不足を補っていルノが現状です。

雇用形態が入り交じると、様々な法律が交じることとなります。

特に学生の短期アルバイト、住み込みリゾートバイト、パート、派遣社員といった人材を抱えている事業者は、注意を払うべき分野だと言えます。

雇用形態の違いによっておこるトラブルは、次の③よくある法的トラブルで詳しく解説します。

(3)民法(契約法)

小売業者が注意を配るべき法務分野の3つ目としては、民法、特に契約法が挙げられます。

小売業者は、飲食店利用者(お客様)を相手とする業種です。

もっとも、小売業を営む上では、卸売業者、運送業者など、他の事業者との間の契約も欠かせません。

ビジネスでは、契約書は、お互いの約束を分かりやすく残しておくための重要な書類です。

民法(契約法)は、どの業種であっても関わってくる法律分野です。

特に事業を行う経営者の方々にとっては、非常に重要なものとなります。

小売業者にとっても例外ではありません。

 

③小売業において生じやすい法的トラブル

(1)労務トラブル

まず多いのが、労務トラブルです。

労働法務分野と一言で言っても、その中身には様々なトラブルの種類があります。
例えば、
ⅰ長時間労働や残業代未払いなどに関するもの、
ⅱ雇用形態に関するもの、
ⅲ労働災害に関するもの、などです。

 

ⅰ長時間労働や残業代未払いなどに関するもの

労働時間や残業代未払いに関するトラブルは、従業員の雇用管理(労務管理)が適切に行われていないことが原因となっている可能性が高いトラブルであるといえます。

すなわち、飲食店経営者側の不備によって起こりやすいものだといえるのです。

具体的には、労働契約書の作成方法や、勤怠管理方法に問題があったり、労働者を雇い入れる際にきちんとした説明ができていなかったりすると起こってしまいやすいトラブルだといえます。

小売業界は、中小企業や個人事業主が占める割合が高い業界であるため、業界全体の風潮として、そもそもコンプライアンスに対する意識に問題がある事業所が比較的多いともいえます。

こういった事業所においては、労働法や労働基準法を遵守するコンプライアンス意識の向上や、雰囲気作りから取り組み始める必要があるといえるでしょう。

労務トラブルは、労働時間を管理するためのシステムを導入することや、雇用契約書を見直すなどの予防策を講じることで、一定程度防止することができるものになります。

労務トラブルが起こった場合は、事業所内部で適切な労務管理ができているかどうか見直す機会にもなるのです。

また、上記のような特徴のある小売業界の中で、労働環境の改善に取り組むことは、店舗のブランディング化や、ベテラン従業員の定着率向上にも繋がります。

 

ⅱ雇用形態に関するもの

人手不足を解消するために、アルバイトやパートなどのいわゆる非正規雇用者を使用する場合、非正規雇用特有の労務トラブルが生じることがあります。

労働基準法などの基本的な法律に加え、パートタイム・有期雇用労働法という法律による規制が加わるためです。

特に、契約更新の規制や、解雇に関する規制などは、非正規雇用特有の規制だといえるでしょう。

このような問題は、解雇時にトラブルに発展してしまうことが多いとものと言えます。
労働者としては契約が更新されると思っていたのに、されなかった、という形で表面化するためです。
労働者にとっては、生活の糧を失ってしまうこととなるため、双方の感情が絡んでしまい、長引きやすい紛争形態だと言えます。

 

ⅲ労働災害に関するもの

労働災害とは、労働者が労務に従事したことが原因で、負傷したり、病気になってしまうことを言います。
この場合の労働者には、正社員だけでなく、アルバイトやパートタイマーも含まれる点に注意が必要です。

労働安全衛生法では、事業者に対して労働災害防止の事前予防のための安全衛生管理措置を定めています。遵守しなければ、罰則が用意されている強い義務となります。

具体例を見てみましょう。
例えば、デリバリーサービスをしている場合に、従業員に車やバイクの運転をさせることがあると思います。
サービス中に従業員が交通事故を起こしてしまい、怪我をしてしまうと、これは、労働災害となってしまいます。

この場合ですと、事業者は、運転免許の確認や、車の整備など予防に努め、発生時の対応について適切な措置を講じる必要があるといえるのです。

また、実際に労災事故が起こっていない場合でも、安全衛生管理措置義務を守っていないと制裁を受けてしまう場合があります。

(2)契約トラブル

食品卸売業者や、運送業者等、他の事業者と取引を行う場合は、適切な契約書を締結する必要があります。

内容をよく見ないまま、契約書にサインしてしまうと、予期せぬ不利益を被ることになりかねません。

例えば、悪質なコンサルティング業者からの勧誘に乗ってしまい、タイアップ契約やコラボ契約を締結したものの、内容を確認しないまま契約してしまっており、サービス内容が途中解約ができない内容になっていた、等のトラブルが考えられます。

また、卸売先から、毎月一定数の商品を卸してもらう契約をしていたのに、定期的な納入をしてもらえず、売上が減少してしまった場合を想定してみましょう。
この場合、相手が約束通りの納入をすることが、できなかったのですから、相手に売上が下がったことの補償をしてもらいたいと考えるのが普通ではないでしょうか。

もちろん、民法415条では、債務不履行責任について定めており、相手方に落ち度があってこちらに損害が生じた場合、その分を相手に請求できる事となっています。

しかし、その契約書には、415条を適用しない、という文言が書かれていたらどうでしょう。法的トラブルに発展してしまうのではないでしょうか。

契約書は、こういった万が一のトラブルが生じた場合を見越して締結しておく必要があると言えます。きちんと確認した契約書は、いざというときに頼りになるのです。

逆に言えば、ずさんな契約書を締結してしまっていると、本来こちらが主張できるはずの権利が主張できなくなってしまうなどの不利益を被ってしまいます。

予めきちんと契約書の内容を確認し、不利益な条項が入っていないかどうかを確認しておくことで、予期せぬトラブルが起こっても、スムーズな解決に繋がります。

弁護士による契約書のチェック・作成について

 

④小売業特有の法的問題に関して、弁護士ができること

それでは、小売業特有の法的問題に関して、弁護士ができることは、どのようなものがあるのでしょうか。

弊所は、県内の小売業者さんとの顧問契約も複数社有しております。

このような経験を踏まえ、弁護士がどのようなサポートができるのか、解説していきたいと思います。

(1)取引先・顧問先などの法律トラブル全般を依頼できる

弁護士は、取引先・顧問先とトラブルが生じたときに、交渉段階や訴訟段階で事業者の代理人となることができます。

特に、沖縄県内の小売業界の実情に詳しい弁護士は、業界の内情や、慣行、流通スキームについて深い知識を有しています。

そのため、取引先や顧客先と法的トラブルとなった際にも、スムーズな対応を期待する事ができます。

取引先などの外部とのトラブルは、業界内部での会社の信頼度に繋がります。
特に、今後もお付き合いをしていく予定のある取引先の場合、こちらの正当な権利を主張しつつも、相手との良好な関係を維持し続ける必要があるのです。

また、法律トラブルは、経営者にとっての本来的な業務ではありません。
時間的・金銭的・精神的に負担がかかることが多いにもかかわらず、事業の成長や拡大には繋がりにくい業務だと言えるのです。

弁護士は、このようなトラブルが生じた場合にも、代理人となることにより、経営者の負担を減らすことができます。

(2)労務トラブルについても依頼できる

労務相談を例に上げてみてみますと、
「ショップ店員や元従業員から未払いの残業代を請求されてしまった」
「期間限定で雇っていたつもりの学生アルバイトと契約を解除したら、違法な解雇だと言われてしまった」
「パワハラオーナーだと言われ、相手の弁護士から手紙が届いたが、どうしたらよいのか」
という相談などです。

どれも労働者に関連して起こる”労務”トラブルなのですが、実は、労働基準法、労災法、労働安全衛生法など、それぞれ異なる法律が関わっている場合があるのです。

そのため、それぞれの労務トラブルの解決方法も多種多様です。

相手方との交渉で終わるものもあれば、労働審判や民事訴訟が行われるものもあります。

弁護士は、労働法、労働者派遣法、パートタイム労働法など、多岐にわたる知識を有していますので、一番適切なアドバイスを受けることが期待できます。

雇用にまつわるトラブルは、労働者にとって死活問題となることもあるため、当事者同士だと感情が絡んでしまって泥沼化することもよくあります。
元従業員との紛争・訴訟への対応の場面では双方の感情が高ぶりやすいと言えるのです。

弁護士が介入し、冷静な対応を行うことで、相手方もヒートダウンし、話し合いだけで解決できる労務トラブルも比較的多く存在します。

弁護士が代理人となることにより、経営者の負担を減らすことができるといえるでしょう。

(2)今後のトラブル防止対策の提案を依頼できる

弁護士は、紛争が起こったあとの解決に加えて、どのようにすれば今後のトラブルを防止できるのか、という点についても、アドバイスを提供することができます。

従業員との間で法的トラブルが起きてしまったということは、今まで会社内で使用していた雇用契約書の内容がおかしいものだったのかもしれませんし、労働時間の管理方法が間違っていたのかもしれません。

労働契約締結時の交付書面や、労働契約の説明方法が間違っており、労働者に誤解を与えるような内容になっていたのかもしれません。

また、上に述べた、パートタイム・有期雇用労働法は、当初は、大企業だけの適用でしたが、2021年から中小企業にも適用が行われました。

事業者に義務が加えられた改正・適用となっていますが、正しく対応するためには、法的知識が欠かせません。

弁護士は、幅広い法的分野についての知識を有しています。

目の前のトラブル解決はもちろん、事業所が抱えている見えないリスク(潜在的リスク)を見つけだして貰えるといえるでしょう。

特に、パートタイム・有期雇用労働法への対応や、事業所内でのコンプライアンス意識の向上は、小売業経営者の方々にとっての喫緊の課題となっています。

小売会社の実情を知っている弁護士に依頼することで、雇用契約書や就業規則・賃金規定を法的な観点から整備することが期待できます。

(4)適切な契約書の作成によるトラブル予防を依頼できる

ビジネスにおいて。契約書は、取引や合意の内容を正確に記載し、当事者間の約束事を明確にする重要な文書です。

コロナ禍による小売客の激減や、昨今の情勢による原油価格の大きな変動、上に上げた従来型の食品小売業の販売形態の変化、などは、特に県内の小売業界が直面する問題だといえるでしょう。

そのため、沖縄県内の飲食料品小売業は、そのような予期せぬリスクに備えた契約書を締結する必要性が高い業種であると言えます。

一例を上げると、基本的な取引契約書に加えて、覚書を締結することにより、大きな社会変動に臨機応変に対応できるようにしておく、などの対策が考えられます。 

契約書の重要性や、弁護士によるリーガルチェックの重要性については、以下のページで詳しく述べていますので、ぜひご覧ください。

弁護士による契約書のチェック・作成について

 

弁護士に、契約書締結に関するアドバイスを依頼することで、スムーズな事業規模拡大だけでなく、将来のトラブルを予防することに繋がるといえます。

 

⑥小売業者が顧問弁護士を活用するメリット

それでは、小売事業者が、顧問弁護士を活用するメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。
顧問弁護士は、
企業の内情や、経営者の意向を把握している点が、いわゆるスポット弁護士(一つの案件にのみ携わる弁護士)との大きな違いと言えます。

(1)信頼関係がある顧問弁護士に依頼することで、法的トラブルのスピーディな解決が期待できる。

法的トラブルは、相手方との交渉、調停、訴訟など、様々な形で起こり得ます。

そして、トラブルの始まり方が様々であるのと同様、トラブルの解決方法も、相手方との交渉、調停、訴訟など、様々な形があります。

そのため、トラブルが生じた後に、自分の考え方と合う弁護士を探すところから始めてしまうと、時間的、経済的、精神的に負担がかかってしまいます。

顧問弁護士は、法律の「かかりつけ医」のようなものだとイメージすると分かりやすいかもしれません。

普段から交流があり、社内の内情を知っている顧問弁護士に依頼することで、法的トラブルをスピーディかつ適切に解決し、企業の損失を抑えることが期待できるといえます。

(2)顧問弁護士に依頼することで、適切なコンプライアンス体制を整えることができる

上記④でもお伝えしましたが、会社の内情を知っている弁護士は、会社が気づいていない法的リスクに気づき、トラブル防止のためのアドバイスを行うことができます。

会社が気づいていないようなリスクのある体制があれば、社員研修・セミナーなどを行うことによって、適切なコンプライアンス体制を整えることができるのです。

こうして、法的リスクを抑えた会社経営を行うことで、法的トラブルが生じにくい組織を作ることができるのです。
一度トラブルが起こってしまうと、その解決には多大な時間・経済的負担が生じてしまいます。

適切なコンプライアンス体制を整えていくことは、小売業者の経営者にとって無駄なコスト・費用の削減に繋がります。

さらに、再発防止策や、適切な労務管理を行う会社であるとのブランディングに勤めれば、社内外での会社に対する信用があがり、従業員の定着や、新規顧客の獲得にも繋がります。

 

⑦当事務所に依頼するメリット

弊社は、沖縄県内にて、2009年から、企業法務をメインに弁護士業務を行っております。

また、県内外には、数十社に渡る顧問企業を有しております。

そのなかで、小売業者も複数社、弊所が顧問弁護士を努めております。

小売業で経験したトラブルとしては、補助金関係のコンサルタントとのトラブル、著作権がらみの製品に関するトラブル、労働トラブル、事業承継のトラブル等です。

当事務所は、沖縄県内独特の企業の内情や、小売事業者のビジネス慣行について深い知識を有している弁護士が複数名在籍しております。

小売事業特有の経営者のお悩みに寄り添った解決策を提案することができると自負しております。

弊所は、小売事業者様の顧問契約について、常時ご依頼、ご相談を受け付けております。

企業法務に精通した弁護士が、トラブルの解決のために全力を尽くします。

もし、お悩みになられている経営者の方がいらっしゃれば、お気軽に相談ください。

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    Last Updated on 2024年1月10日 by roudou-okinawa

    この記事の執筆者
    弁護士法人ニライ総合法律事務所

    弁護士法人ニライ総合法律事務所は、実績豊富な6名の弁護士で構成されています。このうち3名は東京で弁護士活動してきた経験を持ち、1名は国家公務員として全国で経験を積んできました。

    当事務所の弁護士は、いずれも「依頼者の最大の利益を追求する」をモットーに行動いたします。

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